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2007.07.25

カルト宗教独特の世界観は裁判官に通じた?・完全版

グロービートジャパン・平和神軍事件裁判の第18回・第19回公判の様子を、オーマイニュースに投稿したのですが、「差別表現が含まれている」などという良く分からない理由で検閲されたため(差別表現があったのは裁判上の事実です)、いまいち雰囲気が伝わらない記事となってしまいました。

というわけで、元々の原稿を掲載しておきます。オーマイニュース版と読み比べてみてください。

人間的な魅力あふれる「教祖」の証言
独特な世界観は裁判官に通じたのか?

 「グロービートジャパン・平和神軍事件裁判」の第18回公判・第19回公判が、6月18日・19日の2日間にわたり、東京地裁・第428号法廷(波床昌則裁判長)で行われた。これは、ウェブサイトの表現が名誉棄損で起訴された、日本で最初の、そして唯一の刑事裁判である。

 訴えたのは、「ニンニクげんこつラーメン花月」チェーンを運営するグロービートジャパン株式会社。ある個人ウェブサイトで、右翼系カルト宗教団体「日本平和神軍」やニセ大学「イオンド大学日本校」との関連性が暴露され、それにより営業的な損害を受けたとして、名誉毀損でサイト管理人を訴えたものである。

 今回の公判では、平和神軍の教祖であり、イオンド大学の創立者にしてグロービートジャパンの自称会長である黒須英治氏への証人尋問が行われた。英治氏は、グロービートジャパン社長、副社長の父親でもあるが、グロービートジャパンと平和神軍に繋がりが無いことを証明するため、検察側の証人として証言に立つこととなった。満を持して登場した、まさに最重要人物である。

 これまでの公判で、既に社長、副社長が証言を行っている。いずれも、「英治氏とは思想的な繋がりは無い」「会社の方針を、英治氏に相談したことは無い」「英治氏が会長を名乗っているが、会社としては勝手に名乗られて迷惑」と証言し、会社と宗教団体に接点が無いことを強調していた。

 英治氏への証人尋問は、両日とも午後1時30分から午後5時まで行われた。休憩を除いても6時間20分という長丁場であったが、さすがは「500人以上の信者(証言より)」を持つ教祖の証言だけあって、全く飽きさせない。傍聴席も満席となり、入廷できない人も出た注目の裁判である。

 さて、証人尋問が始まるにあたり、英治氏は若干緊張した面持ちで登場。証言台で宣誓した後、か細い声で「椅子に座っても、よろしいですか?」と裁判官に尋ねていた。しかし、神妙な様子もそこまで。検察から10分ほど差しさわりの無い質問をされ、「平和神軍とは何ですか?」と聞かれた際には「左翼思想や自虐史観が蔓延していることへの反対をし、日本の思想と言うものを皆に教える活動」と、若干早口だが良く通る大きな声で自信を持って語り始めた。なお、左翼や共産党は嫌いだが、本人としては「街宣車を持ってないから」右翼では無いらしい。

 弁護人からの反対尋問の内容は多岐に渡るが、証言は概ねグロービートジャパンと平和神軍の繋がりを暗に認めるようなものであった。息子達が証言した内容などお構い無しに、自由奔放に証言していた。ある意味、正直者である。たとえば、社長は「妻が平和神軍の機関紙に名前を出しているということだが、活動もしていないし、勝手に名前を使われただけ」と証言していたが、英治氏は「息子の妻は、高校2年生のときに何か思想的な理由があって、私の宗教団体に入った。どちらかと言うと引き篭もりだが、私を頼って来るのは、そういう問題のある奴らばかり。そういう人の面倒を、沢山見ている」と全く正反対のことを証言。面倒見の良さに関しては譲れないものがあるようだ。

 また、英治氏は「被告人はエタ」と第3者に語っているのだが、その根拠を問われると「根拠なんて無いですよ」と回答。「普通の人がやらないこと(※告発サイトの運営のことだと思われる)をやってるから、エタだと思った」「人間として最低のことをやっているという意味で、エタと言っただけ」と続けた。さらに「以前、弁護人に対して、朝鮮人と罵倒したが根拠は?」と聞かれたときも、「根拠なんて無い」「私は日本人だから、日本人としての立場で話している。私の言うことに反対するヤツは、朝鮮人。だから『あなたは、朝鮮人ですか?』と聞いただけ」などと、英治節を全開。

 「阪神大震災は神戸に朝鮮人が増えすぎたため起きた。あれは禊ぎ(みそぎ)」と講演したことについても、「みんなが喜ぶから、そう言っただけで、別に根拠は無い」と、周辺の人物は似たような思想を持っていることを証言した。それでいて、「私は差別主義者でも何でもない。下町の出身なので、差別思想を持っているはずが無い」と良く分からない理屈。

 その上、「私はウソを付かないし、見栄も張らない。張る必要が無い」などと言いながら、その数分後には「平和神軍のウェブサイトに書いてある会員数は、ハッタリ」「資産100億円と講演で言ったのもハッタリ」「ハッタリとウソは違う」と答え、傍聴席からは失笑を買っていた。そもそも、グロービートジャパンに会長職が無いにも関わらず、会長を名乗って活動をしているのも「普通のオジサンだと話を聞いてくれないから、ハッタリで使った」そうであるが、様々な経営上のアドバイスをし、株式の51%を持って「私が怒れば、弟子はみんな怒る」状態だったそうだから、これはハッタリでは無さそうだ。

 ところで、イオンド大学は「ホリエモン」の商標を取ろうとして失敗したのであるが、それについて聞かれると「あいつは悪いことをやっていたので、懲らしめようと思った」と証言。商標を申請したのが、2005年3月だから、随分と前からホリエモンのことを悪く思っていたらしい。そのわりに、自身のブログでは、ホリエモンのことを褒めていたり、株主被害でホリエモンを訴えている紀藤正樹弁護士のことを「ウソの裁判ばかりしている」と罵倒するあたりは良く分からない人物だ。

 他にも「国防省.jp」や「防衛庁統合幕僚会議.jp」といった日本語ドメインを大量に取得していることについても「悪用を防ぐために取った。『天皇』も悪用されないよう確保した」と言いつつ、「では、矢沢永吉.jpや、ヴァーナル.jp(化粧品会社)も持っているようだが、それらについては?」と聞かれ、一瞬うろたえながら「まだ誰にも取られていなかったので、取った。同じく悪用されないために取った。譲りに行ったら、断られた」と、どうみても自分が悪用しているとしか思えないチグハグな答えをし笑いが起きていた。ちなみに、whoisで調べたところ「日本通販.jp」や「日本直販.jp」といったドメインも取得している。天皇に関するドメインや商標の取得については確認できなかった。

 終始このような調子であったが、弁護人から聞かれても無い事に対して「話してもいいですか?話しますよ?ちょっと聞いてください」と関係の無い主張を延々と繰り返す一方、都合が悪い質問に対しては激昂して「そんなことは知らないし、思い出しません。私は、そんな人間じゃないんだから」「なんだ貴様、人の会社に迷惑を掛けておいて!」と大声で怒鳴る場面もあった。そして尋問が終了した際には、傍聴席を嘗め回すようににらみ付け、裁判官からは「早く退廷してください」とたしなめられるなど、「脅し」「すかし」の世界で生きているような印象を与えられた。

 とは言え、話しぶりからしても大変面白い人物であることには間違いない。人間的な興味を魅かれる人物だ。以前、証言台に立った、息子の黒須伸一氏などは、人間的な魅力の面で英治氏には遠く及ばないと感じた。英治氏は、息子の才能で会社が伸びたことを強調していたが、英治氏の人脈や才覚が無ければ、駄目だったに違いない。被告人も、そういった英治氏に興味を魅かれ、ウェブサイトでその言動や興した会社のことを書いていたら、訴えられたのだろう。

 この点について弁護人の紀藤正樹弁護士によると、「尋問の内容からも分かるとおり、英治氏は、批判をしない方がおかしいくらいの人物。ただし、相手の過激さに合わせて表現が過激になってしまえば、そこだけを抜き出されて問題とされることもある。一般人にとって、どこまでの表現が許されるのか、それが今回の裁判で問われている」ということなので、日ごろ過激な文章を書いているような人は十分注意したい。

 なお、次回公判は、9月19日の午後1時30分より東京地裁428号法廷で行われる予定。同じく弁護人の山口貴士弁護士によると、「裁判は、まさに佳境に入っています。表現の自由ひいてはインターネットの自由のために、出来る限りのことをする。是非、応援して欲しい」とのこと。この事件の経過報告が行われている山口弁護士のブログも要注目だ。


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コメント

名誉棄損⇒名誉毀損

投稿者: (2007/07/25 22:00:19)

新風とイオンド大学、このカルトは関係あるのでしょうか?
教えてください。

投稿者:   (2007/07/29 21:37:15)

イオンド大学に訊け

投稿者: (2007/07/30 3:15:55)

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