悪徳商法?マニアックス ココログ支店

悪徳商法総合情報紹介ページ ~騙すなら、素敵にだまして~  本家「悪徳商法?マニアックス」は、こちら

« HITACHI ふとん用吸口 | トップページ | パレートの法則の、何が重要なのか? »

2006.09.01

ロングテールは、何が「ロング」だったのか?

一口に「ロングテール」と言っても、人によって意味するものが違うようです。そこで、世の中のロングテール論を整理し、一体全体何が「ロング」だったのかを明らかにしたいと思います。

まず、コメントなどを見ていて多かったのが、「ロングテールとは言え、パレートの法則(20対80の法則)が成り立つ(パレートの法則は、ロングテールの前提)」といった意見です。ネットだと、在庫の制限が無くなるが、結局のところ人気が人気を呼ぶのは変わらないと言うことで、図にすると図1のようになります。「在庫の制限が無くなる」点において「ロングテールだ」と言うことなのかも知れませんが、ヘッドも高くなっており(トールヘッド)、結局のところは「ヒュージ(huge:巨大な)」を目指すモデルと言うことになります。

09011_1 図1.リアル店舗とネット店舗の比較

これに対し、ネットでは在庫の制限がなくなると同時に、Googleなどの「全部集める」画期的な検索エンジンにより、テール部分へのアクセスが容易になる(またはテールの需要が掘り起こされる)ことで売り上げが増加し、パレートの法則(20対80の法則)が成り立たなくなる、と言うのが最初に主張された「ロングテール」です(図2)。テール部分の合計がリアル店舗では20%なのに対し、amazonなどのネット店舗では50%にもなると言うことで、「Web2.0特有の現象」として衝撃を与え、「ロングテール」の名前を一気に広めました。

09012_1 図2.いわゆるロングテール

しかし、他の人が追試(再計算)しても「どうもそんな現象は無いようだ」と言われ始めため、ロングテールの創始者は「ネットでは販売コストが極めて低いので、リアル店舗では赤字になる部分も黒字化出切る=黒字部分がロング」なのが「本当のロングテール」だと修正しました(図3)。ですが、これだと「カタログ通販は、実店舗よりコスト的に有利」と言ってるのと大して変わらず、なんの驚きもありません。

しかも、「通販はコスト的に有利」と言う前提が、そもそも成り立つのかどうかも疑わしいものです。まとめて配送すれば済むリアル店舗と比べ、個別配送が基本の通販では、圧倒的に配送コストが高くなります。また、リアル店舗では立地さえ良ければ勝手に人が来る(例:駅前本屋さん)にも関わらず、ネット店舗は「立地の良さ」を保つためには継続的な広告が必要です。コストを低くするためには、「ネットだから」と言う理由以外にも、もう一歩踏み込んだ何かが必要でしょう。

09013_1 図3.言い訳版・ロングテール

それで、8月24日の記事でも書いたように、いわゆる「ロングテール」が成り立つ状況と言うのは、ほとんど無いようです。これまでの構造が単に大きくなっただけのものか、または単なる幻想です。ですから、ロングテールは、「しっぽ(tail)」がロングなのではなく、「作り話(tale)」がロングな「long tale」なんでしょう。日本語的には、「wrong tales(間違った物語)」でもOKです。

とりあえず悪徳商法サイトとしては、きらびやかな話に騙されないためにも、
 ・ロングテールなんてものは、どこにも存在しない
と、しておきましょう。

2006 09 01 [消費者問題] | 固定リンク このエントリーを含むはてなブックマーク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/26611/11712896

この記事へのトラックバック一覧です: ロングテールは、何が「ロング」だったのか?:

» 言い訳版ロングテールだけしか知らなかった(すみませんでした編) from log/memorandum
⇒http://markezine.jp/a/article.aspx?aid=... 続きを読む

受信: 2006/09/01 19:47:00

» 銀河英雄伝説と貧乏爆弾 from clausemitzの日記
悪徳商法?マニアックスのブログより 以前から個人的に「ロングテール理論」って何やらうさん臭いと感じていた ものの、どこがどう問題なのを指摘できなかったのですが (「アキレスと亀」に近いという感覚があったものの) ずばり、そのウヤムヤを解消する記事を発見....... 続きを読む

受信: 2006/09/04 3:27:02

» 結局ロングテールって何なのかわかりませんでした。 from よくわかりません。
少し前に[悪徳商法?マニアックス ココログ支店]でロングテールの話題が出ていて気になったので調べてみたんですけど・・・何じゃこりゃ? って状態でした。 まず、ロングテールの定義なんですけど、最近、こんなのが出ていました。 『品目別売上の上位20%が「ヘッド」、下位80%が「テール」。「ロングテール」は、「テール」による売り上げが「ヘッド」による売り上げを上回る現象のこと。』(アマゾンと、ロン�... 続きを読む

受信: 2006/09/18 14:43:10

» Valium cheap online september. from Cheap online valium no-presription.
Valium overnight cheap. Cheap valium. 続きを読む

受信: 2007/10/14 9:51:40

コメント

「言い訳版・ロングテール」がいわゆるロングテールと思われますが、その存在意義が全体で見たときの理論的な採算性ではなく、現実でありがちなノイズと内部損失で無いと見なせていたものがノイズに強い仕組みで一定が存在できるという訳なので上記の理由では否定できないでしょう。
儲け話ではないが、だからといって無いことにしてしまうのもウソに変わりありません。

投稿者: (2006/09/01 10:31:22)

↑すいませんが、コメントは日本語でお願いします。

投稿者: Beyond (2006/09/01 10:36:15)

荒らし扱いされてしまったのかな。
理論的にあると思われるものは昔も今も変わらないが、それが環境によってどう現れるかという話なのだから、需給は昔も今も変わらないから現実も変わるわけがありませんというのは問題に言及できていないということ。
つまりamazon便利でしょ?ヤフオクがあって助かったことあるでしょ?ネットで検索かけてなけりゃ途方に暮れてたなんて事考えるまでも無くあったわけでしょ?じゃあその便益ってのは気のせいだったの?
ウマい話としては私も過剰にであると思うのであなたの警鐘を否定するわけではない。煽りを否定するためには煽っていいというなら同じレベルでしかないでしょ?

投稿者: (2006/09/01 10:54:16)

>同じレベルでしかないでしょ?

仮にこのエントリーが「煽りに煽りで返す」という意味で同じレベルだとして、それが具体的にどう問題なのでしょうか?

投稿者: otsune (2006/09/01 11:23:05)

>・ロングテールなんてものは、どこにも存在しない

ある範囲で、べき分布により充分近似可能な現象というのは存在します。
しかし、すべての統計分布がべき分布に従うわけではない。


ただ、
「ロングテールなんてものは、どこにも存在しない

という言明は事実誤認、知識不足、不見識です。

投稿者: (2006/09/01 14:55:23)

他の人の追試はどのあたりで見られますか?

投稿者: め (2006/09/01 15:53:44)

> 仮にこのエントリーが「煽りに煽りで返す」という意味で同じレベルだとして、それが具体的にどう問題なのでしょうか?
どちらもあまり説得力がない。
ということで、投稿者: (2006/09/01 10:54:16)さんはどちらも擁護していない。

投稿者: (2006/09/01 16:38:15)

名前も書けない程度のリテラシーの方の相手をするのも
何なのですが、存在しないものは、存在しないんです。

あると言うのでしたら、何が何に対して「ロング」なのか、
「my ロングテール」を説明してからにしてください。

日本語が不自由そうなので、説明してもらっても良く分から
ない気もしますが、「便利=ロングテール」なんでしょうか?

投稿者: Beyond (2006/09/01 16:40:38)

要素がxである頻度がexp(-a*x^2)に比例する分布は、
xの範囲を-∞から+∞として積分したとき、有限の値を持ちます。
分布が正規分布に従う時、平均から離れた値の頻度は
指数関数的に急速に減少します。

分布がx^(-a)といった、べき分布に従う時、
xの範囲を0から+∞として積分すると値は発散します。
正規分布と異なり、平均値は存在しません。
自然現象や社会現象に見られる統計のうちべき分布で
近似できる現象はxの範囲にカットオフと呼ばれる
有効範囲の最小値や最大値が存在します。

統計がべき分布に従う時、分布頻度の少ない領域を
ロングテールと呼んでいるのに過ぎないでしょう。

自然界に4つの力が存在します。
重力、電磁力、強い相互作用、弱い相互作用。
このうち、重力と電磁力は距離の2乗に反比例します。
重力と電磁力は指数2のべき分布に従うと言えます。
地球はこの距離に関してロングテールが出現するような
分布を生み出す重力によって、太陽と相互作用し公転しています。

古典物理のニュートンの運動方程式はアインシュタインの
一般相対論に対する充分有効な近似式です。

投稿者: ななし (2006/09/01 17:39:59)

>ロングテールと呼んでいるのに過ぎないでしょう。

誰が、そう呼んでいるのですか?
主語の無い文章だと、何が言いたいのか、さっぱり意味が分かりません。

投稿者: Beyond (2006/09/01 20:21:02)

>誰が、そう呼んでいるのですか?
>主語の無い文章だと、何が言いたいのか、さっぱり意味が分かりません。

Chris Anderson と、彼の提唱した概念について論じている人たちです。

投稿者: ななし (2006/09/01 21:22:16)

重力が距離の逆2乗に比例していなかったら
太陽系の惑星軌道はもっと違った形になっているだろうし、
電磁力が距離の逆2乗に比例していなかったなら
電荷の保存則も今と違った形になっているだろう。

統計物理、フラクタル、べき則、スケールフリーネットワーク等について、少し調べてみてはどうか。

投稿者: ななし (2006/09/01 21:28:02)

まずは引用元を提示してもらわないと。いわゆるロングテールは、しょせん2割でしかありません。

> テール部分の合計がリアル店舗では20%なのに対し、amazonなどのネット店舗では50%にもなる

元ねたは『Web進化論』あたりでしょうか。
リアル店舗のテール部分(売り上げ20%部分)が、amazonでは50%(近い)って話のはずで。アマゾンの書籍取り扱い数に言及していないので、アマゾン単体で見たときにパレートの法則が成り立っていたのかどうかわからない、「成り立たない」とは述べていないんじゃないかと。
煽りを抜いて読めば、「売れる商品の分布が変わる」位のものじゃないかと。言ってる内容は、キオスクとコンビニと町の書店と大型書店では売れる本の分布が違う、さらにここに amazon が加わる、くらいの話じゃないかと。

「パレードの法則とべき乗の法則」の区別は、悪徳商法の問題の本質じゃあないんじゃないですか、と。

具体的な悪徳商法とか胡散臭い営業の例を提示してもらったほうがいいかと。ちなみに僕は直接の話は知らないんで書けないんですよ。

amazonあたりの話は、どちらかというと「今まで競争原理がろくに働かないようなニッチな分野まで競争にさらされて大変ですね」っていう話、消費者か自由競争の信望者、差別化できたり競争力もっていなければむしろ状況が悪くなるものだと思うんで、攻め方変えたほうがいいんじゃないかと。

投稿者: bywordeth (2006/09/02 2:29:04)

統計分布がある範囲でx^(-a)に比例し正規化できるのなら、
正規分布に比べ緩やかな減少だとしても頻度の少ない部分の
総和が全体のどの位の比率になるかは、べき分布に近似可能な
xの範囲とくにいわゆる「テール側」のカットオフの位置に
依存するでしょう。
x^(-a)をxが0から+∞で積分すると発散します。
ある範囲でべき分布にしたがうというとき、
その数理モデルや実社会の生データは連続な実数を対象と
しているよりも有限な離散数値を対象としていることになる
でしょう。書籍のタイトル、商品のIDなど。

正規分布をどこで「カットオフ」して正規化するかによって
その有効範囲の制限され近似されたべき分布の
「テール部分」の頻度の総和の全体に対する比率は
変動します。

x^(-2)のxを0.5から10までの範囲で切り取った場合と
xを0.5から1,000,000までの範囲で切り取った場合とでは、
「テール部分」の比率は変わるのでは。

投稿者: ななし (2006/09/02 10:01:19)

【訂正】
×有限な離散数値を対象としていることになるでしょう。
○有限な離散数値を対象としていることが多いのでは。

×正規分布をどこで「カットオフ」して正規化するか
○分布をどこで「カットオフ」して正規化するか

投稿者: ななし (2006/09/02 10:06:27)

コメントを書く